シベリア抑留を経験した父の手記を偶然見つけた男性を取材しました。
手記からみえたのは、命がけの過酷な抑留生活と、衰弱する捕虜兵を勇気づけた父のある行動でした。

シリーズ― 終戦から79年

新潟市江南区にある「横越神社」は戦時中、召集された人たちが集まり、集落の人たちから激励された場所です。

神田勝郎さん(87歳)は、父・正平さんが召集令状を受けとった1945年の1月のことを覚えています。終戦7か月前のことでした。

「2回目の応召を受けたときは、しかも1月のあの寒い冬の朝にまた出兵しなさいという赤紙をもらうわけですから、本人にとってはやっぱり非常に苦痛であり、寂しい思いを吐露してたと思います。何となくそれは雰囲気でわかりましたね…」

父親が異国の地から帰国したのは、終戦からおよそ2年が経った1947年7月10日。
父・正平さんが経験したのは『シベリア抑留』でした。