屋内退避?50キロ先へ広域避難?…原発周辺の住民は


部屋の窓に連なっていたのは、放射線を防ぐ「鉛のカーテン」。

壁面には
▽原則、外出しない
▽行政の指示に従いましょう
などといった、原子力災害を想定した注意書きがあります。

福浦地区は原子力災害対策重点区域の中でも、最も警戒度が高い原発から概ね5キロ圏内のPAZエリア指定されていて、仮に志賀原発から放射性物質が漏れ出すなど、重大な事故が発生したとき、住民は屋内退避、あるいはおよそ50キロ離れた能登町まで広域避難するよう定められています。


しかし、これらの避難方法は困難を極めると、能崎さんは身を持って体感しました。

福浦港 能崎亮一 前区長
「(能登町に)いけませんよね。がけ崩れ、隆起、陥没で道路が使えない。やっぱり私らここで孤立するしかない」

それでは、空路での避難はどうでしょうか。


福浦港 能崎亮一 前区長
「訓練上はここがヘリポートなっているけど、皆逃げて車ここに置いて着陸できない。ヘリコプター使えない。ヘリポートは無理」

ヘリポートとなる予定だったグラウンドは当時、避難者の車およそ100台で埋め尽くされていました。