漁から調理まで子どもたちが『未利用魚』の実状を体験

第三美富丸 池庄司友範船長
「おはようございまーす!今まで食べてこなかった魚を、今度から美味しく食べられるようになるんだっていう理解を、みんなに深めてもらいたいっていうのがまず一つの目的ね。色んな魚をまんべんなく食べることによって、1つ1つの魚の種類の保護にもつながるんです」

糸満市の漁師、池庄司友範さん。
マグロ漁などをする傍ら、子どもたちに未利用魚の存在を知ってもらおうと漁師仲間とともに活動しています。

池庄司船長
「20年近く漁師をしているが、やっぱり獲れなくなってきている。燃料費の高騰、世界情勢などに振り回されて色んなものが僕たちの首を絞めてくるので、どうにか新しい活路を開かなきゃいけない」

この日は早朝から、豊見城市の小中学生にツノザメを釣り上げる様子を見学してもらいました。

沖に出てから数時間後―

中学生
「うぉ~めっちゃすごい!え~気持ちいい!」

初めて触れるツノザメにみんな興味津々です。

中学生
「ザラザラしている。」
Q美味しそう?
「あんまり…。」

翌日はツノザメを使った料理に挑戦です。指導するのは、沖縄調理師専門学校の講師たち。

沖縄調理師専門学校 前川孝太副校長
「サメって結構時間が経ったら臭くなるっていうけどはこれは全然ならなくて、そんなにクセはないと思うので、何にでもいけると思います。」

子どもたちは、下処理に苦戦しながらも、保護者と一緒にツノザメ料理を完成させました!そのお味は?

参加した中学生
「めちゃくちゃ美味しいです。淡泊な身なので、ドレッシングとめちゃめちゃ合う。弾力がすごくて思ったよりも。」

参加した保護者
「サメがこんなに美味しく料理できると知らなかったので、アレンジを加えながら挑戦してみるのも良いかなぁと思いました。」

未利用魚の魅力を伝える池庄司さんらの取り組みは「海の豊かさを守ろう」というSDGsの目標につながっています。

池庄司船長
「漁業体験や調理体験をすることで、資源保護やSDGsに対する意識が高まってくれたらすごく嬉しいなと思いますね」

沖縄県では、未利用魚の実態把握や活用促進に向けて、来年度の事業化を目指し、取り組みを進めているといるほか、沖縄調理師専門学校では、ツノザメのレシピコンテストを実施するなど取り組みが進められています。

未来の料理人たちが、未利用魚の可能性を引き出すことにも期待が集まります。