職員へのセクハラが指摘されている、沖縄県南城市の古謝景春市長に対する不信任決議案が26日、市議会に提出され可決されました。
南城市の古謝景春市長は今年5月、市が設置した第三者委員会から複数の女性職員に対し、キスや太ももを触るといったセクハラ行為があったと認定され、辞職を提言されていました。
しかし古謝市長は辞職を拒否し、その後、被害を訴えている女性職員への「口止め」や「告発者探し」を自ら行っていたことを疑わせる音声記録の存在が明らかとなり、女性職員は休職に追い込まれています。
26日開かれた市議会の本会議では、これ以上、市政の混乱を放置できないとして、一連の問題で初めて与党側から提出された古謝市長への不信任決議案が、審議されました。
討論では、性被害の訴えは相次いでいるなどとして、不信任決議案に賛成する意見が相次ぎました。
与党議員1人が退席し、議長を含む18人による採決の結果、賛成15人、反対3人となって可決に必要な出席議員の4分の3を上回り、不信任決議案は可決されました。
採決後、古謝市長は議会を退席すると、報道陣の問いかけには応じず無言で歩き続け、市長室前でコメントを発表しました。
▼古謝景春 南城市長
「彼女から私に『おめでとうございます』と言って、それは僕はハグして終わり。それだけです。第三者が見て、こういうこと言ってるのかなと思って聞いただけで、恫喝したわけではありません。これまで、職員を本当に家族のように…、みんな親しくやっていましたから、絶対そういうことはない。どういう形で決着つけるか、相談します」
古謝市長は今後10日以内に議会を解散するか、辞職・失職の判断を迫られることになります。
“脅し”が始まり、自分を守るために録音
4度目の提案で可決された不信任決議。市長に口止めを迫られ、休職に追い込まれた女性が26日、RBCの電話インタビューに応じました。
ー議会のやりとりは見ていた?
「ライブ中継で見ていました。反対討論を聞いたときは、もうものすごく胸が苦しくなって、絶望……しました。賛成討論は聞いていて、涙が止まらなかったです。賛成討論をした方々には、本当に感謝しかないです」
―市長とのやりとりを録音しようと思ったきっかけは?
「市長からの脅しみたいなのが少しずつ始まってきていて、もう自分を守るために録音しようと思いました」
―今の気持ち
「やっとここまで来られたという気持ちと、まだこれから。やっと一歩踏み出せた感じですかね」
「またどんな言い訳をしてくるのか不安だし、私がハグしてきたとか、食事に誘ったとか、そういうことは一切ない。この件については、もう早く解決してほしいというか…解決したい」