様々な物価の上昇が続いていますが、その中で価格が低下傾向にあるのが、食卓に欠かせないコメです。
消費者にとってはありがたいことではあるんですが、生産者からは悲鳴に近い声が上がっています。その背景を取材しました。

特A えびの産「ヒノヒカリ」が去年より100円安い

スーパーのお米売り場。

コメの食味ランキングで最高評価の「特A」をとった、宮崎県えびの産「ヒノヒカリ」の値段はというと・・・

(まつのアミュプラザみやざき店 福重将志店長)
「こちらが、えびの産『ヒノヒカリ』で、前年は2000円を超えていた商品ではあるが、今年は2000円を切った価格での販売をさせていただいている」

こちらのスーパーでは、去年より100円安い価格で販売しています。


(買い物客)
「それはうれしい。買う側としては助かる」
「ちょっと安いなとは思った。宮崎の特Aでも安い」

物価高騰でも コメ価格が下がる理由

様々なモノの値段が上がる中、なぜ、コメの価格が下がっているのでしょうか。

要因のひとつが「コメ離れ」です。

1人あたりの年間のコメの消費量は、2000年度がおよそ65キロでしたが、2020年度は50キロ余りにまで減少。
需要の減少が価格の低下につながっているのです。


さらに・・・

(ミヤベイ直販営業一課 黒木賢哉さん)
「外食産業が大きく落ち込んでいる。その影響を受けて全国的に『コメ余り』の状況」

新型コロナの影響で外食産業が落ち込み、特に、関東や関西でのコメの需要が大幅に減少しているといいます。


(ミヤベイ直販営業一課 黒木賢哉さん)
「余ったお米が九州まで流れてきているというのが状況。我々、企業が頑張って、なんとか元の状態に戻せるように頑張っていきたい」


農林水産省によりますと、出荷業者と卸売業者との間で決まる玄米60キロの平均価格は、5年間で3000円近くも下落しています。