春の新作…東京で興味を深めた作品に挑戦…見せた相手は

4月。
久しぶりに自宅を訪ねると、新作に挑戦する奏さんの姿がありました。去年から試作を重ねている弁当用の巾着袋です。

奏さん
「紐を開け閉めし辛いというのがあったので…紐の部分も裏地、薄い生地で作ろうかなって。」

口を縛る紐を緩くするため、表の生地を厚手と薄手の生地の2枚の布を重ねて縫う「重ね縫い」は、東京でもアドバイスを受けた技です。

新作に奮闘する佐々木奏さん

奏さん
「これでひっくり返せば、あとは紐を通すだけだ…」

カバンは表地を裏側にして作るので、最後に返し口からひっくり返すことで完成形が見えてきます。仕上げに紐を通せば完成です。

新作に奮闘する佐々木奏さん

奏さん
「よし!できました!これで…よいしょ」

作品が完成すると、他の人にアドバイスを聞いて回るのが奏流。今回向かったのは、しばらく登校していなかった中学校でした。笑顔で出迎えてくれたのは、2年生の新しい担任。

担任
「せっかくならこの中に水筒も入れれたらいいかな。」

「あーなるほど」

完成した試作品

改善のためのアドバイスを受ける姿からは、決して学校が嫌いではない様子がうかがえます。苦手なことが多く自信を失い不登校になりましたが、ミシンで手掛けた作品が学校と奏さんを繋いでいます。

校長先生
「私としても学校に来るのがすべてではないと思っていますので、今は今で奏さんのミシンの縫物をしながらも、やっぱりリモートで授業を受ける奏さんの一つの今の生き方、やり方として、学校としては尊重している部分はあります」

インタビューに応じる奏さん
「周りから見たら結構異常だと思うんですよ。学校行っていないし、普通の制服を着ていない。そういう人にも優しく接してくれるのは、なんか嬉しいなって思います。」

ぬいぬい屋SOUこと佐々木奏さん

自分らしく生きる力になるミシンの縫いもの。これからも改良を重ねながら、ぬくもりのある喜ばれる作品を目指します。