「高知県は、ひとつの大家族やき。」物産と観光、移住で、高知を元気にするためのイメージアップを図ろうと始まった高知家のプロモーションが11年目を迎えました。県はいま、経済政策のいわゆる「関西戦略」を全速力で進めようとしていて、高知家の顔に、関西に根付いたタレントを初めて起用することにしました。福井健人記者の報告を交えてお伝えします。

(円広志さん)
「高知の『おっちゃん』と言われたら光栄ですよ。僕は毎週末高知に帰ってますからね。金、土、日は高知県に」

(司会)
「高知にいながら高知県を“まわってまわって”いるわけですか」

(円広志さん)
「“まわってまわって”とか言わんでええわ!」

高知家の「おっちゃん」となったのは、県出身のタレント・円広志(まどか・ひろし)さんです。

1978年にシングル「夢想花(むそうばな)」で歌手としてデビューし、80万枚を超えるセールスを記録。活動の拠点となっている関西では、テレビ番組の朝の顔、御意見番として、10年以上にわたって親しまれている存在です。高知県をひとつの「家」に見立てて2013年に始まった高知家プロモーション。これまで県出身の著名人をキービジュアルに自然や食、高知県民の人柄などを全国にPRしてきました。関西を拠点に活動するタレントに白羽の矢を立てたのは、初めてのこと。完成したプロモーション動画は「コテコテ」をコンセプトに、円さんが県内各地を回ります。その土地を代表する人々とのふれあいを通じて、魅力をアピールしています。

(円広志さん)
「どんどんどんどん年齢を重ねるごとに、高知に帰る時間が増えてきて、やっぱり高知が合うんですかね。それと、大阪と高知を結ぶ、『高知はそんなに堅苦しいところちゃうよ』、『コテコテ』も全然受け入れる、ウェルカムですよというところがあるので、たくさんの人に高知に来てほしいですね」

(県産業振興推進部 沖本健二 部長)
「大阪で、絶大な人気があって、番組もお持ちですし、関西でこれから関西戦略を進めていくうえでキャラが立ってて高知の事をよく分かってて適任だと思いました。一番いい人がなってくださったと思いますね」

「高知家のおっちゃん」が生まれた背景には、県が推し進める経済政策、いわゆる「関西戦略」の存在があります。2025年の万博の開催で賑わいが期待される関西を舞台に、高知の観光振興や外商の拡大などを進めるための戦略で、来年度には、要となるアンテナショップを初めて出展させることになっています。

ただ、万博をめぐっては、海外パビリオンの建設が遅れていることが問題視されています。さらに、資材価格や人件費の高騰などから、会場建設費の見込み予算が当初の1.9倍となる2300億円程度に膨らんだことを疑問視する声も挙がっていて、開催そのものや、規模の縮小が懸念されています。県は、「万博は、あくまで半年間のイベントなので、どのようになろうとも、戦略に大きな影響は及ぼさない」と言及。政策を進めながらその先に生まれる経済活力を県内へ波及させたい考えです。

(県産業振興推進部 沖本健二 部長)
「規模が縮小されたとしても、この万博には多くの人が集まりますし、多くの関係者が携わると思うので、チャンスにはなると思う。我々地方にとっても、開かれるのは関西ですけど、そこに入りこんでいくよちというのは当然あると思うので、何とかこれを“勝ち”につなげていきたい」

円広志さんのプロモーション動画は、高知家の特設サイトで公開されています。また今月から、JR西日本の車両や、中心部の街頭ビジョンで動画による広告を実施して、関西エリアでの高知の認知度向上に努めていく方針です。