リラックス効果が実証されている森林セラピーロード。多くの人たちの癒やしに、そして「何かが変わる」きっかけになってもらえばと天狗高原で長年に渡りガイドをしている男性を取材しました。
高知と愛媛の県境をまたぐ四国カルスト。標高は1000メートル以上あります。その東の端にあるのが天狗高原の森林セラピーロードです。

セラピーロードとはリラックス効果が科学的に実証された森林浴に適した道のことで、全国に60か所以上あり四国では高知と愛媛あわせて3か所が認定されています。
(森林セラピーガイド 掛水一彦さん)
「この落ち葉を踏みしめる音。こういうのを感じながら歩く。基本的に五感を使ってこの道を歩く。味覚はないんだけれどもそのほかの四感をものすごく研ぎ澄ませて、歩くのが森林セラピーロードの歩き方」

こう説明するのはガイドの掛水一彦(かけみず・かずひこ)さんです。この道が「森林セラピーロード」に認定された2008年からガイドとしてセラピーロードの魅力を国内・海外の人たちに伝えてきました。
(森林セラピーガイド 掛水一彦さん)
「森林浴を皆さん求めて来られています。森林の中でお風呂に入ること。それを安全に楽しく歩いてもらう。それだけですね。堅苦しい言葉ばかり言ったら疲れますからね。感じることをそれをお願いしています」
今、森の中は雪が積もる前の姿。カエデなどの落葉樹が葉を落とし木々の間から遠くの景色を見渡せます。
(森林セラピーガイド 掛水一彦さん)
「閑散としているのも物悲しいかもしれないけれどもこれもまた一つの自然ですよね。ものすごく抜けて見える。これも今の時期しか見られないですね」

快適に森林浴を楽しんでもらうための最も重要な作業の1つが「草刈り」です。
(森林セラピーガイド 掛水一彦さん)
「『イバラ』これがね。小さいから今、刈ったあとだから、これがものすごくはびこってくるのよ。ずーっと。だから歩いていると痛いのよ。これも種類が何種類もあるのよ。ものすごく大きくなるからどんどん刈ってあげないと歩けないのよ。痛くて刺さるから」

さらにこんな工夫も。津野町の間伐材を使ったヒノキチップです。森林セラピーロードに撒かれたチップは歩く人の足腰への負担を抑えるほか、道をまたぐ木の根を守る狙いもあります。「人間にも自然にも優しい場所」にするための地道な取り組みです。

(森林セラピーガイド 掛水一彦さん)
「安全に歩ける道を整備するのは大変ですね。町の人と協力しながら役場の人も協力してくれます。そうして整備をして皆さんをお迎えしています」
掛水さんは長年この森で過ごす中で自分の心が広くなったと実感しているといいます。だからこそ疲れた時や何か抱えている時に、自然の中で過ごせば「何かが変わる」と話します。
(森林セラピーガイド 掛水一彦さん)
「霧が入った小雨が降るような時が一番良いです。感じます。早朝。本当に気持ちが良いですよ。『凜』とした空気、あれが味わえます。日々まち中で仕事とかいろんな子育てとかで疲れていると思います。みなさんそれぞれストレスは抱えているはずです。それを発散してもらう場所です。自然の中へ飛び込んでもらいたいね」













