なぜ集中豪雨となったのか…メカニズムを解説

(東杜和 気象予報士)
高知豪雨は県中部を中心に長時間にわたり大雨をもたらし、甚大な浸水被害を発生させました。

(藤崎美希アナウンサー)
ほとんどの家屋が床上浸水となって、高知市大津地区に祖父母の家があるんですけれども、『もうどんどん水が増えてるから助けてほしい』という連絡がありました。行ってみると本当に見たことがない信じられない光景で、そのまさかということが起きるのが災害の恐ろしさなんだなと思いました。

(東杜和 気象予報士)
まずはこの雨のメカニズムについて解説します。当時の天気図を見ると、この大雨をもたらしたのは秋雨前線と高気圧なんです。秋雨前線に向かって、まず南から湿った空気が大量に入ってきていました。そしてもう一つ、高気圧の縁を回って、違う方向からも湿った空気が入ってきました。この2方向からの空気の流れ込みが豪雨に繋がりました。

(東杜和 気象予報士)
2つの方向から流れ込んだ暖かく湿った空気がぶつかったところで、雲が発生します。秋雨前線は非常に速度が遅く、停滞する前線ですので、この空気の流れ込む方向が変わらず、ずっとここでぶつかり続けたんですね。その結果、雲がどんどんできてベルトコンベア式に並びます。現在でいうところの“線状降水帯”が発生したと見られます。