戦後78年経った今も、戦争に翻弄され続けている人たちがいます。「フィリピン残留日本人2世」の方たちです。そんな残留日本人2世の2人が先月、父のルーツを追い求めて沖縄を訪れました。

無国籍として生きる2人 父のルーツを追い求めて

12月14日。多くの出迎えを受けながら那覇空港に降り立ったのは、フィリピン残留日本人2世のアカヒチ・サムエルさん81歳と、カナシロ・ロサさん80歳です。

アカヒチ・サムエルさん
「温かいお迎えに感謝しています。父の家族に会えて、幼いころからの夢が実現しとても嬉しい」

カナシロ・ロサさん
「父に会いたいと思ってきたが、父が戻ってくることはなかった。でもここに来れて皆さんに会えて感謝しています」

戦争に翻弄され、今でも「無国籍」として生きる2人は、父のルーツを追い求め初めて、沖縄を訪れました。

当時のフィリピンでは父親の国籍に属すると定められていたため、戦争により日本人の父親を失った「残留日本人2世」たちは「無国籍」として生きてきました。

“棄てられた民”「棄民」とも呼ばれ、今でも苦難の道のりを歩み続けています。

国籍を取得するためには、日本の家族とのつながりを証明する必要があり、支援団体が数年にも及ぶ調査を勧め、その結果、今回アカヒチさんとカナシロさん、それぞれの親族とみられる人たちが見つかり、2人の国籍取得までの道のりが大きく動き出しました。