「形がおじいに似ている」
先月、アカヒチさんの姿はうるま市平安座地区の墓地にありました。

アカヒチさんの父は平安座地区の赤比地家(現・香村家)からフィリピンに渡った赤比地(現・香村)勲さんである可能性が高いと判明したのです。
フィリピンで戦死した勲さんの遺骨の代わりに、石が葬られているこの墓で、アカヒチさんは、自分の父とされる赤比地勲さんの写真を初めて目にしました。
そして取り出したのは、ハーモニカ。勲さんの墓の前で弾いたのは、愛する人の戻りを願う気持ちを歌ったフィリピンの民謡でした。
そして、勲さんの弟の家で一家がアカヒチさんを迎えました。

勲さんの、今は亡き2人の弟の妻も参加。生前、フィリピンに渡った家族との対面を待ち望んでいたといいます。
勲さんの弟・光範さんの妻 香村ミツ子さん(96)
「線香灯すときにはね、いつも言いよった。フィリピンに兄さんがいらっしゃるのに、会えることもできないでごめんなさいとね、いつも言いよったよ」
勲さんの弟・定男さんの妻 香村スエ子さん(94)
「やっぱり香村の家のあれだね、形が似ている。おじいに似てきている」
勲さんの父、安信さんにどこか似ているという事実が、一族のアカヒチさんに対する反応を段々と変えていきました。

アカヒチさん
「沖縄の人は心が優しい人ばかり。とても嬉しい。沖縄で出会った人、特にこの平安座の家族のお陰」
最後は全員でカチャーシー。当初緊張した面持ちだったアカヒチさんも、思わず笑みが溢れていました。














