剛さんの言葉『たらればは絶対に言わない。これからをどう生きるか』

 今も週2回の訪問診療を続ける雅子さん。忘れられない剛さんの言葉があります。

 (関本雅子さん)「『たられば』は絶対に言わないと。もう少し早く見つかっていたらとか、こまめに検診を受けていたらとか、あとで後悔しても仕方がないことは言わないと言っていましたずっと。これからどう生きるかだからって…。仕方ないですもんね、昔のことを振り返って、こうしていれば良かったと思ったって」
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 今年に入って講演の依頼が増えました。緩和ケア医として遺族として語ります。

 (講演をする雅子さん)「息子が生き方の参考にした言葉です。『人間は他の動物と違ってどんなに肉体が衰えても死ぬ瞬間まで精神的に成長し続けることができる』『良き死は逝くものからの最後の贈り物となる』。この言葉はかなり意識していたんじゃないかなと思います」
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 (関本雅子さん)「(講演活動は)私にとっての『グリーフケア』です。良いところをできるだけ思い出そうと思っているので、楽しかったこととか。つらいところはあまり彼は見せなかったのでね。お話をする中で私自身が落ち着いてくるのかなって」