診察に訪れた松尾さん『安心感がある。相談もできるし』
8月16日、松尾さんが雅子さんの外来にやってきました。がんが進行し、お腹に溜まった水(腹水)が身体の負担になっています。
(松尾さん)「昼かなと思ったら夕方で。夕方かなと思ったら夜で…」
(家族)「体感が全然周りの人と違って…」
(雅子さん)「寒いでしょ。体重が減ってくる消化器がんの人は寒く感じる」
腹水を抜く処置をしながら、雅子さんは今も自宅で暮らす松尾さんに語りかけました。
(雅子さん)「トイレに行けなくなったら入院って言っていたけど、トイレに行けなくなるということと、亡くなるのがほぼ同時になるかもしれない」
(松尾さん)「死ぬのは病院でいいと思っています」
(雅子さん)「トイレに行くのが家で大変な感じになったら、その時点で入院。それでオッケーね」
少しずつ近づく別れ。
(松尾茂樹さん)「腹水を抜いた分、少し楽になったと思っています。安心感はありますよ。何とか相談もできるし。つらいところは何とかしてくれるので」
松尾さんはこの日から1か月後、亡くなりました。家族は松尾さんの希望通り、お別れの会を12月に神戸で開く予定です。