現在も診療を続ける母・関本雅子さん…緩和ケアを受ける61歳の腎臓がん患者

 診察にやってきた松尾茂樹さん(61)。松尾さんは4年半前に腎臓がんとわかり、手術と抗がん剤治療を続けてきました。今年に入って薬が効かなくなり、5月から緩和ケア中心の治療に切り替えました。

 (松尾茂樹さん)「安心していろんなことをフランクにお話しできる先生に巡り合えて、もう余命をどう過ごすかと言われているんですけれども」

 (関本雅子さん)「息子を見ていて、本当にできるところまで本人がやりたいことをやるのが一番いいんじゃないかなと思ったんです」
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 松尾さんは、剛さんのように病気について全て公表して、最期まで自分の生き方を貫きたいと考えていました。大学のメンバーと集まったり、テニスやゴルフを楽しんだり、残された時間を存分に生きる事にしたのです。
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 今年8月、松尾さんは体調の変化を感じていました。

 (松尾茂樹さん)「ちょっと本当にしんどくなってきたので、たちまち近づいてきているのかなと、自分ではもう一段…。8月になって腹をくくってきたという感じなんですね。家族には言いませんけどね」
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 自分が亡くなった後、お別れの会を計画していることを打ち明けました。

 (松尾茂樹さん)「訃報のお知らせもプライベート用とオフィシャル用と、お別れの会のご案内。自分が元気なうちにできる範囲でやっておいて」

 会場のホテルも決めて、上映するメッセージも収録したそうです。残された人に何かを伝えたいという思いからでした。

 (松尾茂樹さん)「松尾の生き方を忘れないようにしておきたい、みたいなことを言ってくれる人が多くて、うれしい」