体重85kgの記者が一気に流される数十cmの津波

12月8日の地震では津波の高さが数十cmでした。この数値を見て、「数十cmの津波なら助かるのではないか」と思われる人もいるかもしれませんが、数十cmの津波のパワーも侮れません。
東京の中央大学の津波の実験施設で、記者が30cm~50cmの津波を体験すると、体重85kgの記者が一気に流される様子が確認されました。「踏ん張ろうと思ったときにはもう手遅れで、体が宙に浮いていました」と話します。
30cm~50cmの津波は、津波注意報で発表されるレベルです。もし海に遊びに行っていて、この程度の津波に遭遇した場合、避難が遅れれば非常に危険です。
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一般的な波は、海の表面の水の部分が風で揺れているため、水しぶきが飛んでくる程度です。一方、津波はメカニズムが全く異なり、地震によって海底にある海水が、水の塊となって全て持ち上がり、一気に押し寄せてきます。
例えるならば、1mの津波は、プールの深さ1m程度の水の塊全てが、何百、何千、何万個と一気に自分に押し寄せてくるようなものです。長さも数km以上にわたります。そのため、耐えることは全くできません。














