街中で津波に襲われたら…“避難ビル”とは

 関西で最も心配なのは、南海トラフ巨大地震です。もし大阪市内にいる場合、どこに逃げたら良いのか、避難場所を考える必要があります。

 実は、大阪市には約1700棟の「津波避難ビル」という建物があります。

 南海トラフ巨大地震が発生した場合の大阪市の津波浸水地域ハザードマップ(大阪府HPより)を見ると、JR大阪駅がある北区も浸水域に入っています。大阪市内の半分くらいが最悪の場合、水に浸かると想定されています。海の近くの区だけではなく、広範囲にわたるのです。
12.jpg
 「津波避難ビル」には、ビルの出入口などにシールが貼られています。大阪市には1688棟があり、全国(約1万4700棟)で最も多い数です。これは、大阪市内には高台がないため、多くの方が逃げられる場所を確保する必要があるからです。頑丈なビルが津波避難ビルに指定されており、認定数は今も増え続けています。

【指定の要件】
▼ 原則として鉄筋コンクリート造りなどの頑丈な建物
▼1981年の新耐震基準(震度6強の揺れでも倒れることはないという頑丈さ)を満たしていること
▼ 津波が来ると想定されている深さより高い建物であること

 津波避難ビルは、大阪市などのハザードマップなどに記載されていて、インターネットで見ることができます。また、住んでいない地域を訪れたときなどにも、こうした津波避難ビルと書かれている建物を見て、「いざというときにはここに逃げられるんだ」ということをチェックしておくことをおすすめします。ぜひこれを機に、避難場所の確認をしてみてください。