いよいよ来月に迫った衆院選。「解散」「連立」「中道」……ニュースで耳にする言葉は多いけれど、実を言うとよくわかっていない。そんな方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、小泉純一郎内閣時から政治報道に携わってきた、TBSテレビ報道局政治部の後藤俊広さんに、今さら聞きにくい「政治用語」を優しく紐解いてもらいました。
解散ってどういうこと?メリットは?
Q「解散」と言いますが、なぜ解散と表現するのでしょうか。また『伝家の宝刀』と言われますが、なぜ首相はこの刀を抜きたがるのでしょうか。
総理大臣が衆議院を解散すると、すべての衆院議員は議員の身分を失います。
つまり衆議院を構成する議員が誰もいなくなってしまうのです。イギリスのミステリー作家・アガサクリスティに「そして誰もいなくなった」という作品がありますが、まさに衆院議員は誰もいなくなってしまうのです。チームなどの組織を「解散」するのと同じ状態となることから解散と表現するのだと思います。
また総理大臣にとって「解散権」は大きな武器です。議員の身分を自分1人の判断で左右することが出来るのですから大きな権限です。歴代総理が皆、解散権=「伝家の宝刀」を抜きたがったわけではありませんが、歴代総理の多くは解散の行使を匂わせることで対立する野党などへのけん制として利用した例は多くあります。
Q任期満了まで待たずに解散して選挙をするのは、会社で言えば「全員クビにして再面接する」ようなものですか? それによるメリットは何ですか?
解散する側の総理大臣や総理を支持する与党側からすれば「いまなら与党側が選挙に勝てる」というタイミングで解散・総選挙を行うことが出来るのがメリットです。参議院選挙は6年の任期満了で行われることからスケジュールはある程度予想できます。しかし衆議院選挙は総理の考え次第でスケジュールが決まると言うことから総理や与党の方が準備をしやすいという意味で野党よりも有利と言われています。
Q「連立」とはなんですか?「閣外協力」と「連立」は何が違うのですか?
法律を成立させるためには原則として国会の衆議院でも参議院でも過半数の賛成が必要です。しかし衆院と参院でもっとも多くの議員を擁する自民党は衆院でも参院でも過半数の議員を確保していません。そのため政府が作った法律案を成立させるためには自民党以外の賛同する政党が絶えず必要になってきます。そのため賛同する政党を探さなければなりません。そのため安全保障や経済政策などの基本的な政策で合意できる相手(政党)と「連立」を組む必要が生じてくるのです。「連立」にはいくつかの形式があり、連立を組んだ政党から大臣を出す形式を「閣内協力」と言います。去年までの自公連立政権はこの形でした。
一方、いまの自民・維新の連立内閣は維新側が大臣を出しておらず、総理補佐官を派遣しているだけであるため「閣外協力」と呼ばれています。一般に大臣を出す「閣内協力」の方が一緒に内閣を支えていると言うことから連立の度合いが高いと言われています。

















