「ガソリン暫定税率廃止」に2つのナゼ
1974年に2年間の時限措置として導入された「暫定税率」が51年も続いていたわけで、廃止の決断を評価する声がある一方で、「なぜガソリンだけを優遇?」と懐疑的なのは『第一生命経済研究所』の熊野英生さんだ。

『第一生命経済研究所』首席エコノミスト 熊野英生さん:
「▼ガソリン価格と▼消費者物価指数(総合)それぞれ2022年の1月から25年9月までの物価上昇率は11.7%だったが、ガソリン価格は5.2%の上昇にとどまっている。暫定税率を廃止すると2022年1月が100に対しガソリン価格は96.1となり、価格支援が過剰になるというのが私の見方。食料品の高騰を置いておいて、ガソリンだけ安くしていいのかと」

さらに熊野さんの試算では、恩恵のある地域と恩恵の乏しい地域にバラツキが生じるという。
<暫定税率廃止による負担軽減額>
【全国平均:6503円】※県庁所在地、円/年間
▼【1位】鳥取市:1万27円
▼【2位】津市:9905円
▼【3位】前橋市:9718円
▼【4位】山口市:9636円
▼【5位】松江市:9354円
▽【43位】さいたま市:3764円
▽【44位】京都市:3647円
▽【45位】神戸市:3544円
▽【46位】大阪市:2549円
▽【47位】東京23区:1990円

熊野さん:
「東京は電車やタクシーに乗るからだと思うが、年間で負担軽減が2000円ぐらいしかなくて、大阪・京都・神戸でも低い。人口比でいうと4割の人口はあまり恩恵を受けずに、むしろ鳥取、三重県、前橋、山口とどちらかというと自民党が強いところには恩恵が増えるみたいな感じ。こんなに偏りがある物価高対策で本当にいいのか」














