口コミで広がる評判

原さんは、シングルマザー。起業したのは、娘との時間を大切にするためだった。

「大変なときももちろんあるけど、自分はこのやり方が娘との時間が作りやすかったり」「名護らしい雰囲気じゃないですけど、ちょっと歩いたら知り合いにたくさん会って、コミュニティの中で、ちょっと安心して、お店出せるかなって」

創業から2年。キャロル・スレッドワークスの評判は、口コミで少しずつ広がっていった。

地域の人たちと支えあう

天然石・アクセサリー店 翁長結さん
「(最初は)エプロン!? ってなりました。目の付け所がやっぱ違う。飲食店をやってた彼女だから出たアイデアだと思う。エプロンを毎日つけてたからこそ、重要さが」

原さんのもとには、今では県外や海外からも問い合わせが来る。地域の人々もまた、そんな彼女の挑戦を温かく見守っている。

LAQUA 吉政純夏さん
「結構みんなで、ま、あの、お客さん回し(紹介し)あう」「向こうのケーキ屋さんが、エプロン屋さん頑張ってるから、って言われて見に来たとかね」

店名の「スレッド」には、原さんの思いが込められている。

「紡ぐ、という意味もあって。布と布を、物と人を、人と人を繋げるような役割もできたらな、という思いを込めて」

ミシンの音が静かに響く名護のまちを訪ねると、人とのつながりに力をもらいながら、新たなモノを生み出す一人の職人に出会った。(比嘉チハル)