安倍元総理銃撃事件から3年以上が過ぎた2025年10月28日、殺人罪などに問われている山上徹也被告の裁判がいよいよ始まります。

 この事件をきっかけに、旧統一教会と自民党の“蜜月関係”が判明。当時の岸田政権は、旧統一教会や関連団体との「関係断絶」を宣言しました。しかし、今もまだ、教団側が政界への働きかけをはかっていることが分かってきました。

 そもそもなぜ教団側は自民党に接近したのか?参院選でN党・浜田聡氏を支援したワケは?5年以上にわたり旧統一教会の広報部長を務めた男性など教団関係者を取材し、再浮上してきた『教団と政治の接点』に迫りました。

「母が多額の献金」旧統一教会に恨み…矛先は安倍元総理へ

 2022年7月、奈良市の近鉄・大和西大寺駅前で参議院選挙の応援演説を行っていた安倍晋三元総理(当時67)。その最中に事件は起きました。

 2回の爆音が響き渡り、騒然とする演説会場。後ろでは1人の男が取り押さえられていました。

 選挙期間中に元総理を手製の銃で殺害するという前代未聞の凶行に及んだ山上徹也被告。山上被告は警察での捜査段階で、母親が入信した旧統一教会に恨みがあったと供述しました。

 (山上徹也被告)「母が旧統一教会に多額の献金をし、お金がなかった。難病の兄が十分な治療を受けられず、苦しんで自殺した。私も大学に行くことができなかった」

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 2021年9月、旧統一教会の韓鶴子総裁が代表を務める関連団体に送られたビデオメッセージで「世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ皆さまに敬意を表します」と語った安倍元総理。

 山上被告は旧統一教会と強い繋がりがあると考え、安倍元総理を狙ったとみられています。