全国的な物価高騰が背景、2026年3月にも値上げへ

料金の改定には、県内全域のタクシー事業者の車の台数の半分以上の申請が必要とされます。10月16日時点で、半数を上回る県内の12の事業者から申請があり、運輸局が運賃改定に向けた手続きを開始しました。早ければ2026年3月にも値上げとなる見通しです。

県内最多244台のタクシーを保有する冨士タクシーの社長で、県タクシー協会の会長も務める塚本泰央さんは、値上げは全国的な流れだと話します。

石川県タクシー協会・塚本泰央会長「最低賃金が年々上昇していることと、車両価格・燃料価格含めて上昇の一途をたどっているところが大きな要因」「一人の客に対して、一人のドライバーがサービスを行うというような乗り物。人件費の上昇がそのまま利用者のサービスに転嫁されるというのは致し方ない」

金沢市周辺では需要が高いタクシーですが、需要が少ない地域では値上げだけで解決できない問題もあるといいます。

石川県タクシー協会・塚本泰央会長「人口減少が進み、観光客もまだ行けない状態にある中で、移動需要はなかなか確保できない」「需要がないのに上げても、結局収入がないのは変わらないという考え方もある。一概に値上げだけで全てが解決できるわけではない」

塚本会長は、値上げの波に対抗するには他にも工夫が必要だと話します。例えば、電話での予約だけでなく、配車アプリを使えば人件費の抑制につながります。

様々なモノの値上がりは、従来のやり方を変えていくきっかけになるかもしれません。