郊外移転から都市部回帰へ

そんな「優良物件」の大学ですが、かつて、そのキャンパスの多くが郊外へ移転していった時期がありました。
▼同志社大学:1986年 京田辺キャンパス開設
▼立命館大学:1994年 びわこ・くさつキャンパス開設
▼関西学院大学:1995年 神戸三田キャンパス開設
などがその例です。
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時は1990年前後。第二次ベビーブーム世代が大学進学期を迎え、学生の受け入れ拡大が必要になったタイミングです。人口の増加による生活環境などの悪化を防止する「工場等制限法」による制約がありました。大都市中心部に、一定の広さの工場や大学の新設を制限する法律で、大学は仕方なく郊外にキャンパスを拡大していきました。

しかし、工場の海外流出などが問題になったことから、この法律は2002年に廃止。以後、大学が都市部に回帰できるようになったのです。
12.jpg関西大学が2010年に高槻ミューズキャンパスを、立命館大学が2015年に大阪茨木キャンパスを開設しました。そして、関西学院大学は2029年に王子キャンパスを開設予定です。