地域に大学があること 4つのメリット

大学とまちづくりの関係性に詳しい昭和女子大学の田原洋樹教授は、「大学が街にあること」のメリットについて次のように述べています。

(昭和女子大学・田原洋樹教授)「学生が地域に入ることで、経済効果などいろいろな効果はある。街が非常に活性化する。それだけで賑やかになる。(地域に)学生がいるだけでものすごく大きなメリット」

具体的には、主に4つの利点があるといいます。

①多方面の経済効果
大学周辺の飲食店や商業施設だけでなく、一人暮らしの学生や教職員が住む住宅など経済効果は大きいです。実際に、新駅周辺の基準地価、住宅地の上昇率が8.1%と大阪市の平均6.1%を上回っています。

②知識→産学連携の活性化
「産官学連携」が多くの分野で言われる中、地域にとって大学が期待される役割として「よそ者、若者、馬鹿者」という言葉があります。

外部からの今までにない視点を持つ「よそ者」、斬新なアイデアを出す「若者」、そして固定観念にとらわれない自由な発想を持つ「馬鹿者」が、固定化しつつある地域に新しい力をもたらすという考え方。大学はまさにこうした人々が集まる場所として期待されています。

③人口→卒業以降も期待
4年間で数千人の学生が増えるだけでなく、都市部の大学は近くに企業が多いため、学生が卒業後もその地域に就職し、結婚・定住することで、長期的な人口増加につながる可能性があります。都市部の大学は社会人と交流する機会やインターンシップ先も豊富で、学生のキャリア形成にも有利です。

④活気→学生がいることの価値
若い世代がいるだけで、町に活気がもたらされます。さらに、その地域に住んではいなくても継続的に街と関わりを持つ「関係人口」が増えることで、大学を卒業した学生がたとえその土地を離れても地域に活気をもたらし続けることが期待されます。