参院選敗戦をめぐる総括を終えた自民党は、党4役が辞意を表明した。そして9月8日には、“総裁選の前倒し”実施を求める署名が提出される。

いま、石破政権はどのような選択を迫られているのか。
「やるもやらぬも茨の道」。総裁選の前倒し実施の要件と手続き、そして自民党幹部たちの思惑と動きを、TBS政治部で自民党・森山裕幹事長担当として日々取材をしている原尉之記者が詳しく解説する

"すべて想定内"党4役辞意は新たな政局の始まりか

9月2日、参議院選挙の総括を終え、自民党の党4役が辞意を表明した。森山裕幹事長、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長、木原誠二選対委員長の4人だ。

この党4役の辞意表明について、原記者は「我々からしたら想定内、特に驚きがあったわけではない」と話す。森山幹事長は8月28日の両院議員懇談会で「自らの責任を明らかにしたい」と発言していたからだ。

一方、石破総理はこれらの辞意を「預かり」、慰留の意向を示した。原記者は「石破さんはある程度想定していた部分と、『4役全員か』という驚きもあったのではないか」と分析する。特に森山幹事長の存在は石破政権にとって大きく、この1年間、「一蓮托生」「一心同体」と言われるほど重要な関係だった。

しかし、この辞意表明を受けても石破総理の姿勢に変化はない。原記者は「石破総理に辞める意思は全くなく、続ける覚悟というようなものを強く感じる」と指摘する。

石破内閣からは副大臣が7人、政務官が5人と、計12人が総裁選の前倒しに賛成する意向を表明している(JNN調べ※9月4日午後7時時点)。この背景には、総会での石破総理自身の発言がある。「副大臣、政務官は辞める必要ない」「自らの意思を表明してもらって構わない」と述べたことで、日を追うごとに賛成表明者が増えているという。