20代で転職活動…お世話 になった元上司の「ある言葉」で踏みとどまる
―――入社してからいままでで、転機になったことは?
営業職で入社して、担当を持たせてもらう中で、そこそこ成績も残せるし、簡単に言うと「どこの会社でもやれるやろな」と思うようになりました。そこで、転職活動をしたんです。20代の後半くらいだったと思います。何社か試験を受けたんですが、受けたら幸いにも内定を頂いたので、辞表を書いて当時の上司に提出しました。
―――成績も良かったので引き止められたんじゃないですか?
いろいろ言ってくれましたよ。「辞めるな」とか「何でや」とか。それはありがたいと思う中で、入社時に配属された部署の直属の上司にだけは、あとで誰かから聞くのではなくて自分の口から辞めると伝えないといけないと思って電話したわけですよ。そしたら話を聞いてくれて「そうか」と。そして電話を切りかけたときに「せやけどお前の話を聞いていると、ようはアース製薬でライバルがおらんということやろ?」と。「そういうことやったら、ライバルがおらんほうがええやんか」という話になったわけですよ。
「お前やったら受かった会社に行ってもそれなりにやるのは分かるし、目に浮かぶけど 、ライバルは多いで」という話になり、「ライバルがいないということは、トップでいるのもいい部分がある」と。私はその発想が全くなくて「なるほど」と変に納得しまして。結局、辞めるのを止めたわけです。いろんな人との縁というか、アース製薬に残っているのもそういう元上司との縁で、下手したら会社を辞めていてもおかしくなかったんです。














