本物みたいに拍動する「ミニ心臓」

「パソナグループパビリオン」で展示されているのは、“再生医療の最前線”だ。

赤い透明の液体で満たされた筒の中にあるのは、直径3cmほどの【iPSミニ心臓】。体のあらゆる細胞に変化することができるiPS細胞から作られていて、本物の心臓のように拍動する様子が見られる。

『クオリプス』長谷川光一研究部部長
「正確にはiPS細胞から作った心筋細胞を使った“心臓モデル”。患者さんに提供していただいた細胞からiPS細胞を作り、それから心筋細胞を作って心臓の形にしたもの。こういうモデルにしても、心筋細胞は“自立して拍動”する」

――拍動することができたことで、本物の人工心臓ができるところまでの大きな壁をクリアしたと言っていいのか

長谷川部長

「直径約3cmという大きさのものはなかなかなかったし、この大きさでも拍動するところが見せられたのは“世界初”だと思う」

――完成すれば、心臓疾患の人は取り替えればいいということになるのか。50年後の実現は…?

長谷川部長

「移植しかなくて待っている、薬もバイパス手術をしても治らないという方が、少なくともドナーを待ってる間に亡くなることがなくなればいいなと。50年後に“このミニ心臓を見て科学者や医者を目指して人工心臓ができた”となってくれたらすごく嬉しい」