水位が低くても危険「車は思っているよりも水に弱い」

 いつ自分が遭遇してもおかしくないアンダーパスの冠水。JAFの担当者は水位が低くても危険性は高いと話します。

 (JAF大阪支部・堺基地 田畑雅敏さん)「私が救援に行ったお客さまは『これぐらいは行けるだろう』と。冠水している場所に入って(車が)止まってしまったことがありました」

 冠水した道路を走行する実験映像を見ると、水深は車のエンジンルームよりも低い60cmで、時速10kmでゆっくりと進みますが、途中でエンジンが止まり、動けなくなってしまいました。エンジンルームからは、大量の水が吹き出します。そのわけは…

 (田畑雅敏さん)「空気取り込み口から水が入ると、エンジンが止まってしまうんです」

 ハイエースの場合、運転席側の下、バンパーの下をのぞきこむと黒い部品があります。この上部から空気を取り込むということで、田畑さんによると、水がバンパー下までくると、エンジンは止まってしまうということです。
33.jpg34.jpg 車のエンジンは、外から取り込んだ空気とガソリンを混ぜ、それを燃焼させて動く構造です。そのため、空気の取り込み口や排気口に水が入ってしまうと、エンジンが動かず、車が止まってしまうのです。

 車の速度を上げると、タイヤが水を巻き上げて大量の水がエンジンに入るため、突破できるどころか、さらに危険です。

 (田畑雅敏さん)「車は思っているよりも水に弱いので、『これぐらい行けるだろう』と思わずに運転していただくというのがよい。回り道を選ぶなど、安全を最優先に事故を起こさない運転を心がけてください」

 年々激しさを増す豪雨。少しでも危険を感じたら、一度立ち止まり無理な運転をしないことが大切です。
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