関税分の値上げ「果敢に取り組んでいい」

現地生産が多い『トヨタ』や『ホンダ』に対して、輸出比率が高いのは『マツダ』や『スバル』だ。

【米国への輸出台数】2024年
▼トヨタ:53万8685台
▼マツダ:33万5200台
▼スバル:29万6500台
▼日産自動車:15万2800台
▼三菱自動車:8万100台
▼ホンダ:5379台
※各社HP・マークラインズ(株)より

ーーマツダは広島、スバルは群馬と企業城下町があり、地域的なサプライチェーンが非常に色濃く出ている企業だ。

経済ジャーナリスト 磯山友幸さん:
「日本国内から輸出しているところの“日本経済への貢献度”は非常に大きい。この20年間はアメリカ大陸の中で生産工場を作るという方に流れていたわけだが、その中で地場産業として頑張る、地域経済を支えるというのが、ここに来てどう維持するかだと思う」

ーー車の値上げ状況を見ても、25%の関税がかかっている割には値上げ幅が小さい。要は、かぶっていると。

【自動車メーカー値上げ状況】
▼トヨタ⇒“年1回の価格改定の一環で”「トヨタ」ブランド約4万円・「レクサス」ブランド約3万円の引き上げ
▼マツダ⇒価格据え置き
▼スバル⇒複数モデルで値上げ
▼日産自動車⇒未定
▼三菱自動車⇒価格を2.1%引き上げ
▼ホンダ⇒未定

磯山さん:
「本来は関税の分値段は上げないと、日本は価格で勝負しているのかというところ。“品質として”日本車を買ってもらうというのがきちんと定着していけば、もう少し値上げをすることに果敢に取り組んでもいいのではと思う」

ーー当初は、サミットまでに決着するかということで1、2か月我慢すればという様子見だったと思うが、3か月さらに4か月5か月になりつつある。

磯山さん:
「関税がどうなるか決まらないというのが、経営にとっては一番大きなインパクト。何かが決まっていれば対応策が取れるが、関税も本当にこのまま25%でいくのか、あるいは何かで妥協して下がるのか読めないと、まともに輸出して在庫を持つことができない。非常に難しいタイミングではないか」

(BS-TBS『Bizスクエア』2025年6月28日放送より)