トランプ大統領の狙いは?交渉の余地は?
なぜこんなにも高い関税をかけるのか。トランプ大統領が主張する狙いには、次のようなものがあるとみられます。
■国内産業を復活させ、アメリカにおける雇用を増やす
■歳入(入ってくるお金)を増やす
■貿易赤字を減らす
アメリカの商務省は、2024年のアメリカの貿易赤字は185兆円と過去最大を更新し、日本との貿易赤字は約10兆円だと主張しています。
一方、過去にはこんなことも。2019年、当時の安倍政権が日米貿易協定に合意しました。日本は、アメリカが求めていた牛肉・豚肉の関税を引き下げ、ワインの関税を最終的にゼロとするなど大幅に譲歩しました。これに対しアメリカは、日本が求めていた自動車と自動車部品の関税撤廃を「ノー」と言わず先送りにしました。
このときの対応を見ると、今回の相互関税も交渉の余地があるのか?という見方もありますが、荒木主席研究員は「そもそも、日本の相互関税『24%』がどのように叩き出された数字なのか不透明」だといいます。その上で、「今後、輸入制限の緩和や、日本側は譲歩などして交渉する余地はある。しかし、交渉のスタートラインに立てるかどうかも…?」と首をかしげています。