次の焦点「ガソリン暫定税率廃止」に財務省は「かなり慎重」

「年収の壁」に関する議論が一段落した一方で、次の焦点となるのが「ガソリン暫定税率の廃止」だ。日本維新の会は「来年4月から」のガソリン暫定税率廃止を目指す案を提示し、与党との協議を継続する姿勢を見せている。一方、国民民主党と立憲民主党は「今年4月から」の廃止を求める法案を提出し、与党との対決姿勢を鮮明にしている形だ。

ガソリン暫定税率の廃止は、年間1.5兆円の税収減少をもたらすと言われている。これに財務省は「かなり慎重」で、地方に回るはずの5000億円がなくなることへの懸念を強める。ガソリン価格を安くし続けることで、EVシフトや脱炭素への取り組みに逆のインセンティブを与えてしまう可能性もあり、短期的な利益と長期的な展望のバランスをどのようにとるべきか、財務省は思案する。

ガソリン暫定税率をめぐる議論は建設的な政策決定につながるのか。それとも、選挙を見据えた政治的駆け引きに終始してしまうのか。ガソリン減税を訴える野党が「責任野党としての立場」を果たせるのか、今後の与野党協議に注目が集まる。