「感謝しかない」食堂に銭湯…広がる支援の輪
今回の火災では死者が出る事態になりました。27日午前7時ごろ、三陸町で県道に倒れていた男性1人の遺体が発見されました。

この食堂では、27日から4日間、避難者を対象に無料で食事を提供しています。
避難した人
「とてもおいしかった。とてもありがたいこと。感謝しかない」
「何も食べていなかったので助かりました」
避難中の男性が孫の男の子を車に乗せて向かったのは、避難者を対象に26日から無料開放している銭湯です。
26日、火災が広がるなか、村上さんのもとに小学校から連絡があったそうです。

村上八十八さん
「電話で『迎えに来てください』と。学校の校庭に行ったら、火から煙から『これはだめだ』と思って」
村上さんの孫 壱浩くん
「(Q.パニックになった?)煙だらけで授業に集中していなかった」
その後、村上さんは壱浩くんを連れ、こちらに避難してきたそうです。
壱浩くん
「(Q.避難するのは初めて?)初めてです」

壱浩くんは2012年生まれ。その1年前の2011年、大船渡市は東日本大震災で多数の死者・行方不明者を出しています。現在、延焼が続く地域でも10メートル以上の津波を観測するなど甚大な被害を受けました。

壱浩くんの母 八恵子さん
「(Q.どんな思いで子育てをして節目を迎えた?)節目節目でずっと震災の話を聞いていても、実際は知らないので。今回、初めて避難するということを身をもって知ったので、みんなと一緒にいること、日常がどれだけ大事かをわかってほしいなと」
現在、壱浩くんは小学6年生。来月18日には卒業式を控えています。
八恵子さん
「家に制服を置いてきちゃったんです。式で着るはずの。おととい受け取ってきて、卒業式は中学校の制服で出るので。せっかく準備したのに。ちゃんとね、体育館でみんなと一緒に迎えられたらいいね」