地震発生前、40店舗ほどが看板を掲げていた穴水町の商店街はその多くが被災し、現在営業できているのはおよそ10店舗のみです。

このうち穴水商店振興会の会長で、文具店を営む吉村扶佐司さんは、地震からひと月後の去年2月に営業を再開しました。

穴水商店振興会 吉村扶佐司会長(76)
「『通りが真っ暗じゃ寂しい』ということで、思い切ってシャッターを上げた。この人口とかいろいろな状況を考えれば、順風満帆なんてことはありえないし、これからどうなっていくのかっていうのは、心配のほうが先だね」

被災した住まいや店舗の再建費用、そして地震で拍車のかかった過疎や高齢化は地域の行く末に重くのしかかります。
それでも、吉村さんは「やっぱり、穴水で生活したい。最後までいたい。傾いていても、汚くてもくさくても、“穴水町”。この空気がないとだめ」と話します。

そして、酒店を営む七海さんは…

七海友也さん(60)
「能登のことをこの被災のことを忘れないで、心を寄せていただいている。それを私たちがわかるだけで、寂しくないというか、うれしいというか。そうするとまた、きょうもあしたも、前を向いて歩いていけるんです」