ベテラン高島が3区区間賞ならレジェンドたちに迫る快挙
高島もクイーンズ駅伝最強ランナーの1人で、今年は3区出場の可能性もある。
デンソーがクイーンズ駅伝に13年から3連勝したときのメンバーで、14、15年は3区で2年連続区間賞と快走した。資生堂に移籍した16年も3区区間賞。16年にはリオ五輪10000mにも出場した。
17~19年も3区で区間3、3、7位とエース区間を走り続けたが、その後は故障に苦しめられた。20年のクイーンズ駅伝は欠場し、21年と22年は連続6区。ともに区間2位で22年には優勝テープも切ったが、以前の走りと比べると力が落ちていた。
しかし昨年は長距離区間の5区で区間賞と復調し、2週間後の日本選手権10000mは2位。30分57秒26と6年ぶりに自己記録も更新し、オリンピックにも今年、8年ぶりに出場した。
高島の故障はハムストリングス(大腿裏)や座骨が中心で、そこから複数の部位に痛みが派生した。多血小板血漿療法(PRP療法。患者の血液を加工して組織の再生に関連する成分を抽出し、疾患のある部位に投与することで患者自身の体がもつ修復力をサポートし、改善に導く治療)も活用したが、一番はフォーム改善など、高島自身の取り組みが功を奏した。ベテランになって練習量を落として成功した例はよく聞くが、青野宰明監督によれば高島の練習量は今もチームで一、二を争う。高島が3区出場なら5年ぶり、さらに区間賞なら五輪出場と同じ8年ぶりとなる。高島自身は「どの区間でも任された区間で区間賞を」と目標を話す。
「もしも3区なら差がない状態でタスキをもらうかもしれないので、攻めて走って少しでも差をつける走りに挑戦します。区間賞を取れたら、この歳(とし)でもできることを証明することになりますかね。現役をまだまだ続けられますし、『私もできる』と思ってくれる人が増えたらいいですね」
8年前に出場したリオ五輪と今年のパリ五輪の違いを、次のように話した。
「リオよりもパリの方が、たくさんの人に支えてもらってスタート地点に立てたオリンピックです。リオは無我夢中で代表になって走った感じですが、パリは色々なことがあって出場できました。感謝の気持ちを表そうと思って走りました」
8年ぶり区間賞なら、00年と08年に獲得した渋井陽子(三井住友海上。10000m前日本記録保持者)に次いで史上2人目のこと。4個目の区間賞を獲得すれば福士加代子(ワコール。5000m元日本記録保持者)の5個に次いで2番目の多さになる。