■第68回関西実業団対抗駅伝競走大会(9日、和歌山県田辺市龍神行政局~龍神体育館、7区間、80.45km)
全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選会を兼ねた「第68回関西実業団対抗駅伝競走大会」が行われ、住友電工が初優勝を果たした。2区でルーキーの佐藤榛紀(23)が5人抜きでトップに立つと、3区の野村昭夢(22)、5区の白石光星(23)と青学コンビも好走、ルーキー3人投入も強さを見せつけた。
ニューイヤー駅伝に出場できるのは上位4チーム、さらに企業チームの5位については、4位のチームのゴールタイムから10分以内に ゴールした場合に限り、“第70回大会記念枠”での出場が認められる 。
全13チームでニューイヤー駅伝出場権をかけた戦い、雨の中、スタートとなった1区(12.6㎞)、最初の1㎞は先頭集団が3分5秒とややスローペースとなった。山間部を走るこのコース、集団走がずっと続き、残り1㎞でも6チームが集団、ここで住友電工の高田康喜(32)が遅れた。さらに大塚製薬・赤星雄斗(23)が遅れ、最後の最後、大阪府警とNTT西日本がほぼ同時にタスキリレーとなった。
2区(7.68㎞)で好走を見せたのが、住友電工の佐藤榛紀(23)、東京国際大で箱根も経験しているルーキーが6位から5人抜き、去年優勝したトップのSGホールディングスを抜き1位でタスキリレー、2位にSGホールディングス、3位に大阪ガスとなった。区間賞の住友電工・佐藤は「自分の走りで出場圏内にあげようと、1年目でニューイヤーを走りたい」と話した。
3区(10.87㎞)、住友電工はここも青山学院大から入社したルーキー・野村昭夢(22)、スタートからスピードに乗った走りで2位SGHとの差が徐々に開いていった。最後までスピードは落ちずにトップでタスキリレー、2位SGとの差は19秒とタスキをもらってから10秒差をつけた。
4区(9.5㎞)でもトップを守り切った住友電工、5区(16㎞)の最長区間に青山学院から入社の3人目ルーキー、白石光星(23)。しかし、38秒の差あった2位の大阪ガス・西研人(27)に約4㎞付近で捉えられた。それでも白石は大阪ガス・西の後ろについて離されなかった。
8㎞付近で住友電工の白石がペースをあげると、ここまでギアをあげて追ってきた大阪ガス・西はついていけずに、少し差が広がった。大阪ガス・西は3位のSGHの近藤幸太郎(24)にも捉えられて3位まで順位を落としてしまった。
トップの住友電工の白石は1位でタスキリレー、2位には最後に粘りの走りを見せた大阪ガス・西が12秒差、3位にはSGHの近藤が20秒差と接戦になった。白石は「エース区間に抜擢されて、プレッシャーもなく、自分のレースをしっかりできて優勝できたことがうれしい」と話した。
6区(11㎞)、青学の後輩、ルーキーの白石からタスキをもらった岩見秀哉(26)は落ち着いた入りを見せると、リズムよい走りで好走を見せた。岩見は2位に24秒と差を広げてアンカーにタスキリレー。
7区(12.8㎞)、住友電工の永山博基(28)は6人が繋いできたタスキをしっかりと自分の走りでフィニッシュ地点まで運んだ。俳優・永山瑛太(42)のはとこの永山は10㎞付近で37秒差をつけた。最後までテンポを守って、好走し、フィニッシュテープを切った。住友電工が悲願の初優勝、ニューイヤー駅伝の出場権を手にした。2位には昨年優勝のSGホールディングスとなった。
5位の第70回大会記念枠はアンカー区間7区、残り1.2㎞で大阪府警がNTT西日本を逆転、最後の最後で大阪府警がニューイヤー駅伝に滑り込んだ。NTT西日本は2年連続でニューイヤー出場を逃した。
【第68回関西実業団対抗駅伝競走大会 上位6位】
優勝:住友電工
2位:SGホールディングス
3位:大阪ガス
4位:大塚製薬
*******ニューイヤー駅伝出場権
5位:大阪府警
*******記念大会枠
6位:NTT西日本

















