15年ぶり与党過半数割れでも「総理辞任の必要なし」7割超
では石破内閣が開始早々躓いたのは何が原因なのか。
過去30年間を振り返り「発足直後に10%以上支持率低下」したのは4例しかないことを考えれば、いかに今回が異例かが分かる。過去の例はそもそも短命だった羽田政権を除けば、総理自身の“失言”や世論から不評を買った“失策”が多い。では石破総理がそれに匹敵するような失言や失策があったかというと、そうではない。むしろ総理自身の“発言のブレ”による信頼の低下や、前の政権から引きずった「政治とカネ」の問題に対する批判が主な要因となっているのではないか。


今回の衆院選は、15年ぶりに与党過半数割れとなり、羽田内閣以来、発足時“少数与党”となった。この結果については、「妥当」と考える世論が半数以上にのぼる。
一方でこの責任をとって石破総理が辞任すべきか聞いたところ、「辞任の必要はない」が7割を超えた。この結果は政権幹部も意外だったようで「面白い数字だ」と吐露した。政権が発足したばかりで実績がなく、評価できないと世論も様子見の状態なのか。裏金事件で石破総理は悪くないと感じる人もいるのかもしれない。
この数字が後押しとなったのか、今のところ目立った「石破降ろし」の動きは出ていない。7日、衆院選の総括ともいえる両院議員懇談会が開催され、党執行部への批判、不満が噴出した。会議は予定を大幅に超える3時間となったが、早期に総理の辞任を求める声はほとんど出なかった。石破総理が辞任しても“少数与党”から脱却できる展望がないことがあげられる。
この2日前、自らに近い国会議員と会食した高市早苗前経済安保担当大臣は出席者にこう呼びかけた。
「自民党がガタガタしていたら野党になってしまう。しっかりとまとまって、盛り立てていきましょう」