85年前、広大な草原で日本軍とソ連軍との軍事衝突、「ノモンハン事件」が起きました。大きな犠牲を出した日本軍。このときの教訓が生かされていれば、「太平洋戦争は起きなかった」とも言われています。

※動画内で紹介したアンケートは16日午前8時で終了します。

終戦から79年 生かされなかった敗北の教訓“ノモンハン事件”

2024年に100歳を迎えた女性が語り始めたのは、85年前の戦争の記憶でした。

チィメド・ツェリンさん
「爆弾の破片で重傷を負った兵隊が、叫び声をあげながら死んでいきました。私は看護師でしたから、目の前で命を落としていく兵隊たちのために泣きました」

当時15歳だったモンゴル人のツェリンさんが目撃したのは、日本軍と当時のソ連、そしてモンゴル軍が戦った「ノモンハン事件」です。

1932年、日本は現在の中国東北部に「満州国」という傀儡国家を作りました。その満州国に駐留していた当時の日本軍は、ソ連、モンゴル軍と国境線をめぐり、小競り合いを繰り返していましたが、ついに、1939年5月、軍事衝突に発展します。

4か月にわたり繰り広げられた戦いは、4万人近い犠牲者を出した末、日本の敗北に終わりました。

モンゴルの首都ウランバートルから東へ約1000キロ。私達は、ノモンハン事件の現場を訪れることにしました。