「戦争は始まると誰も止められなくなる」

小川彩佳キャスター:
終戦から79年前。VTRを見て、真山さんはどう感じましたか?

小説家 真山仁さん:
ちょうど今、戦前の満州を舞台にした小説を準備していて、ノモンハンがメインではないですが、勉強をしています。

改めて戦争のことを考えると、一番大事なことは「なぜ始めたか」。そこが戦争を止める一番のチャンスで、始まると誰も止められなくなります。

ウクライナなどがそうですが、戦争は絶対に計画通りに行きません。ちゃんと勉強して失敗を教訓にしないといけませんが、わりと我々はそれをやっていない。

小説だとフィクションなので、そこは踏み込めるのでやらなければいけないかな、と思っています。なので今後10年くらいは少し頑張って戦争にこだわりたいと思っています。

もう一つ、私も含めてメディアの方と一緒に考えなければいけないのは、「戦争を考えるのは8月だけなのか」ということです。

もちろん原爆が2回落とされた月でもあり、終戦の日でもありますが、それを言うと「12月8日のパールハーバー(真珠湾攻撃)も重要じゃないのか」となります。

毎月戦争の反省をする必要はないです。ですが、生き証人に語られることでしかリアリティが得られないというのは少し問題だと思います。

戦争を全く知らない世代、親から戦争を聞いた世代がどのように伝えていくのか、を考えていかなければなりません。生き証人はどんどん亡くなっていくので「亡くなったら終わり」というのは少し残念かなと思いますね。

小川キャスター:
教訓を受け止める世代であり続けてきたものが、今度は送る世代になっていかなければならないわけですね。

真山さん:
どう発信するかを考えなければいけない時がきていると思います。