太平洋戦争末期の1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下されて79年です。
今も世界各地で戦争や紛争が続く中、岩手県内に住む被爆者の男性の平和への思いを取材しました。広島市出身・井丸貴拡キャスターの報告です。

8月6日、午前8時15分。
79年前に広島に原爆が投下された時刻に合わせて黙とうを捧げているのは、盛岡市に住む三田健二郎さん87歳です。


当時8歳だった三田さんはあの日、爆心地からおよそ4キロの当時通っていた広島市学校の校庭で被爆しました。

(三田健二郎さん)
「外へ出て遊ぼうと、出ようとした瞬間なんですね。いわゆるピカドン、ピカっ光が来て、前が真っ白で何も見えない。何事かと思っていると、それから突風がきて、吹き飛ばされて」

三田さんは、爆風でガラスの破片が首に刺さるも、幸い命に関わるようなけがではありませんでした。


しかしその後に待っていたのは「差別」を恐れながら、自身の経験を隠して生きなくてはならないという苦しみでした。