去年11月、札幌市豊平区の自宅で認知症の妻を殺害した罪に問われた94歳の男の裁判員裁判で、札幌地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
札幌市豊平区の無職・上牧道雄被告94歳は去年11月、自宅で当時89歳の妻、英代さんの首をひもで締めて殺害した罪に問われています。

22日の判決で札幌地裁は「苦しんで抵抗する被害者の様子を目のあたりにしながら数分間にわたって頸部を絞め続け、犯行は強固な殺意に基づく悪質なもの」と指摘。
また、犯行時の被告の様子について、被告人の完璧主義的な性格傾向や周囲に頼ることを屈辱とするという価値観の影響も無視できないものの、介護疲れを一因とするうつ病の影響もあったとしました。

その上で「被告人は犯行翌日に自首し、反省と後悔の態度を示して、高齢であること、被害者遺族が処罰を望んでいないこと」として、懲役5年の求刑に対し懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。