スーパーやコンビニの台頭など、時代とともに何度も存続の危機が訪れましたが、良光さんは人との付き合いを大事にする信念で乗り越えてきました。

店主・上間良光さん(83)
「シチグヮチソーグヮチも必ずお歳暮持って行って、やったからこれのお陰だと思っている。人とのお付き合いはなによりもあれしてたから」

「北部じゅうからみんなに愛されてですよ、それが続いて長男、次男、嫁とみんなが一生懸命やってるから本当に安心してます」

▽良光さんの次男・林さん
「この規模で残せるかは分からないけど、どんな形でも残さないといけないなという責任感というか、ありますね」

名護で60年以上続く駄菓子屋を訪ねると、地域を愛し、地域に愛される温かい店主に出会いました。

▽店主・上間良光さん(83)
「ありがとういつも、姉さんもまためんそーりよー」

<取材MEMO>
上間商事、通称「おきこや~」の65年間の売れ筋のお菓子を見ると、時代の移り変わりがよく分かります。創業当時の1960年ころは、戦後、北部で製糖業が盛んだったころで、「タンナファクルー」や、飴玉が特に売れたそうです。

1972年の復帰前には「キスチョコ」などの輸入菓子が多く流通しましたが、復帰後は「ポテトチップス」など本土のメーカーのお菓子が入ってきて、輸入菓子は売れなくなったということもあったそうです。そして1980年頃の箱菓子のヒットに続いて、2000年頃はくじやおまけ付きのお菓子です。

そしてここ数年は、有名歌手がミュージックビデオのなかで食べていた「ココアシガレット」や、人気Tiktokerが食べたミックスゼリーなど、一時は売れ行きが低迷したものがSNSの力で再ブレイクする現象が起きているんだそうです。
皆さんもぜひ、名護の「おきこや~」で懐かしいお菓子、新しいお菓子を探してみてください。(取材 上江洲まりの)