◆日本では「捕虜になるより自殺」

<嘆願書>
日本においては、軍人が捕虜となる事は大なる恥辱であると考えられ、捕虜になるよりはむしろ自殺する事が、軍人の道に合するものと考えられておりました
この考えは封建時代から引き継がれ、今回の戦争中までも清算されていなかったものであります
敵国の捕虜になった日本軍人の家族が、近隣者より迫害された事実が近年まであったことによってもそれは明白であります
従って敵軍の所属者が日本の捕虜になった場合にも、その人に対する考え方が欧米人の考え方とは甚だしく異なり、憐憫よりも軽蔑の感情が強かったと思われます
◆捕虜に対する日本人の国民感情が根本原因

<嘆願書>
1902年のハーグの陸戦法規慣例に関する条約に、日本も加入はしていても、その捕虜の取扱いに関する部分は、感情的に国民の支持を受けていなかったのが実情であり、今回の戦争において、捕虜に対する多くの犯行が発生した事実も、その根本原因は前記の国民感情にあったのでありまして、これに関与した一部の人達にのみ、重い責任を負わせる事は正しくないと考えられます