北陸電力「志賀原発の安全性に問題はなかった」


志賀原子力発電所。

元日、志賀町では震度7を観測したものの、原子炉建屋の地下2階では震度5強の揺れにとどまりました。

東京大学大学院 岡本孝司 教授
「岩盤の上に5メートルの基礎を載せて、さらにその上に鉄筋コンクリートで原子炉を造っているので地震に対してはものすごく余裕がある」

40年近く原発の研究を続ける東京大学大学院の岡本孝司教授は今年3月、現地に赴き被害状況を確認しました。



今回、志賀原発で観測した地震の揺れは「地震動」という指標では399ガル。志賀原発は1000ガルの地震動を前提に設計しているうえ、岡本教授はこの「“1000ガルを超える揺れ”はまず来ない」といいます。

東京大学大学院 岡本孝司 教授
「(原発下の)岩盤が壊れちゃいますから、そんな揺れは来ない。残念ながら潰れてしまった家も見てきましたけど、そこらへんは岩盤の上(※志賀原発)と堆積層の上(※家屋)だと揺れが全然違う」


今年1月の記者会見。地震が今後、原発再稼働に向けた審査に影響を与えるかどうか問われた、北陸電力の松田社長は。

北陸電力 松田光司 社長
「能登の大地震の新しい知見、これは的確に反映して審査に臨んでいく。何よりも審査については我々の安全性をしっかり理解していただいて、それをもとに地元の皆さんにご安心頂く、これが一番大事」


「地震で得た新たな知見を活かしたい」と繰り返し述べ、志賀原発の安全性に問題はなかったと強調しました。しかし、実際に地震を経験した住民の中には、当時の対応について不信感を抱く人も少なくないようです。