壊れた花器を“復興のシンボル”に 「金継ぎ」でつなぐ

再建した後、スタッフを集めることができるのか。輪島に観光客は戻って来るのか。それは何年後になるのか。不安なことは沢山あるが、旅館を再建したら玄関やロビーに「金継ぎ」した花器を置きたいと谷口常務は話す。

旅館「輪島温泉八汐」谷口浩之常務
「皆さんの目に触れやすいところに飾りたい。諦めていたものが、皆さんの目に触れるころには『輪島も復興したな』って思ってもらえるんじゃないか」

旅館「輪島温泉八汐」 谷口浩之専務

中村さんは、なぜ器を直し続けているのか。

美術家・中村邦夫さん
「『金継ぎ』は過去の器を未来に繋げるための作業で、みんなが修復したいのは、そこに込められている時間や記憶なのではないか。小さな修復は大きな修復にも繋がると思う。『前より良くなったね』って前向きになってもらえるように、細やかながら手伝いができたら嬉しい」

美術家 中村邦夫さん