復帰後に衰退した沖縄ジャズ・・・ それでもプレイを続けた

米軍統治下で全盛期を迎えた沖縄ジャズは、本土復帰を機に、その勢いを失っていった。

▽金城吉雄さん(89)
「復帰してから、大変ですよね、みんな仕事がないから。ほとんどもう一緒になくなったんですよ、復帰する時点で。プレイするところがないもんだから、あの頃よく覚えてるのは、タクシー運転手。2種免許を持ってた人はすぐ、タクシー運転手」

ジャズを取り巻く状況が厳しくなっても、吉雄さんは、音楽とともに生きる道を選んだ。沖縄ジャズの歴史を次の世代につなぎたいと、2015年には楽団を結成。復帰前の楽譜を使いながら、子や孫ほどに年の離れた仲間に当時のサウンドを伝えている。2024年4月に開かれた定期公演には、幅広い年代のジャズファン、約150人が訪れた。

米軍統治下で生まれた沖縄ジャズのサウンドを届けつづける、その原動力と問うと、シンプルな答えが返ってきた。

▽金城吉雄さん(89)
「やったらわかりますけどね、ジャズって楽しいんですよ、本当に楽しいんですよ、だから、今までもう70年、僕高校時代からやってますけど、楽しくなければもうとっくにやめてますよ、本当に」
(取材:RBCリポーター 比嘉チハル)

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89歳の現役ジャズドラマー、金城吉雄さんの演奏は、ジャズライブハウス「カムズハウス」で月曜夜9時から11時、「Fill-in」で金曜夜7時から深夜0時(いずれも那覇市内)に聴くことができる。