沖縄が本土に復帰してから、5月15日で52年。RBCでは、復帰以前の米軍統治下の沖縄で盛んに演奏されたジャズを次の世代につなごうと活動する、89歳のジャズドラマーを取材したー

どこか懐かしいアレンジは「復帰前」の音

ジャズファンの期待にあふれたライブ会場で、飄々とステージにのぞむ男性がいる。県内最高齢の現役ジャズドラマー、金城吉雄さん。

温かみのあるどこか懐かしいサウンドは、沖縄が本土に復帰する前に、米軍基地のなかで演奏されていた楽曲だ。

▽観客
「派手なパフォーマンスはないんですけど、非常に心にくる」

▽ジャズドラマー 上原昌栄さん(88)
「もう素晴らしいですね、何十年か前の古いアレンジでね。楽譜はほとんど残ってないです」

吉雄さんがジャズと出会ったのは、終戦から7年後の1952年。那覇高校の吹奏楽部でトランペットを吹いていた時のことだった。

▽金城吉雄さん(89)
「先輩たちが、米軍の要望でバンド作ったんだけど、プレイヤーがいない。僕なんかもピックアップされて。何もわからないところからですよ、本当に。ジャズという音楽をわからないし、譜面も読めない」