何にも繋がらなくていい 自分に「許可」を与えることから始める

「明日から16時に帰る」というのは、日本の労働環境では難しいかもしれない。しかし井上氏は、大切なのは「やり方(How)」ではなく「なぜ(Why)」というマインドセットの共有だと語る。

「デンマークで短時間労働がやりやすいのは、みんながそれが理にかなっていると思っているからです。上司に急に『これやってくれない?』と言われた時に、「わかりました。だけどこれをやるんだったら、今持っている仕事のどれを減らしますか?』と言いやすい。ぎゅうぎゅうに全部入れるんじゃなくて、Whyの部分をチームで共有すると、意外と削れるところはあるんじゃないかと思います」

そして何より重要なのは、仕事で稼いでいる自分だけを評価するのではなく、成果や生産性に「何にも繋がらなくていい時間」を自分に許可すること(パーミッション)だ。

「よし、第3の時間のために趣味を持とうとか、睡眠時間を削って絵画を習おうとかではなく、何にも繋がらなくていいんですよ。私にとっての第3の時間は、子どもとただボードゲームをやっているとか、オチのない子どもの話を他のことを考えずに聞いてあげる、そんな時間です。将来の仕事にも生産性にも関係ない、でもそれでいいんです」

仕事での達成だけで自分の価値を測ろうとすると、心身はカツカツになり、何が楽しいのかという皮膚感覚まで麻痺してしまう。仕事で人生を犠牲にしないために、まずは「何もしない時間」「誰かと繋がる時間」を自分に許してあげることから始めてみてはいかがだろうか。