(ブルームバーグ):中国発のAIスタートアップ、Manus(マナス)は近く、独立企業として事業運営を再開する。中国当局が米メタ・プラットフォームズによる買収を阻止したのを受け、取引解消に向けた手続きをさらに進める。
マナスは11日、ユーザーへのメッセージで、一部顧客のアカウントに影響が出る可能性があると説明し、円滑な移行に向けた一連の措置を明らかにした。一部のユーザーデータが削除される恐れがあると伝え、データを保護するためのツールも提供した。
同社は「近く独立企業としての運営に戻り、世界中の数百万人のユーザーにサービスを提供し続ける」と説明。「メタとの分離の一環であり、世界の一部地域における規制要件を順守するため、この措置を講じる必要がある」とした。
中国政府は4月、メタによる20億ドル(現在のレートで約3190億円)でのマナス買収を阻止した。マナスは中国で創業したが、エージェント型AIで成長する中、2025年にシンガポールへ拠点を移していた。中国の有力技術が地政学上の競争相手に流出する恐れがあるとの批判が強まる中、中国当局は取引の取り消しを命じた。
中国国家発展改革委員会が簡潔な声明で示したこの決定は、既に完了した取引を覆す異例の措置となった。中国当局はこれに先立ち、バイトダンス(字節跳動)やムーンショットAI(月之暗面)など大手テクノロジー企業に対し、承認なしに米国から資金を受け入れることを禁じたほか、海外に登記された中国系企業の香港上場にも締め付けを強めていた。
一連の措置は、中国の他のテクノロジースタートアップに対し、米投資家への株式売却や機微な技術の移転を慎重に検討するよう警告する意味合いがある。中国ではムーンショットAIやDeepSeek(ディープシーク)などAI企業が、OpenAIやアンソロピックのシステムに迫る性能を持つチャットボットを開発し、シリコンバレーの競合との差を縮めている。
ブルームバーグ・ニュースがこれまでに報じたところでは、マナスとメタは5月に事業運営の分離を完了し、両社間のデータ共有も停止した。マナスの創業者らは、中国政府が求めるメタとの統合解消に向けた取り組みの一環として、自社株買いの資金を賄うため約10億ドルの調達を検討している。
同社は11日のユーザー向けメッセージで、AIエージェントの機能を拡充する新機能を準備しているとも明らかにした。詳細には触れなかった。「新たな段階でも、皆さまへのサービス提供を続け、満足していただけるよう取り組んでいく」とした。
原題:Manus to Resume Independent Operations in Unwind of Meta Deal(抜粋)
--取材協力:Echo Wong、Haze Fan、Lulu Yilun Chen、Debby Wu.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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