ランダムグッズの魅力1位は「ドキドキ・わくわく感」

株式会社BANDAI SPIRITSは、第3回「BANDAI SPIRITS大人アンケート調査」として、18~59歳の男女1,032人を対象に「ランダムグッズに関する実態調査」を実施した。BANDAI SPIRITSの定義によれば、ランダムグッズとはカプセルトイ(ガチャガチャ)、キャラクターくじ(1番くじなど)、クローズド仕様のグッズ、トレーディングカードゲーム、中身がわからない食玩、中身がわからない入浴剤、が含まれる。消費者が自らの意思で特定の商品を選択することができず、購入するまで何が手に入るか分からないという“ランダム性”を前提とした商品体系であり、「ブラインド商法」あるいは「ブラインド販売」と呼ばれることもある。

同調査によると、ランダムグッズの魅力は1位が「ドキドキ・わくわく感」が45.7%、2位が「目当てを引けたときの嬉しさ」40.3%となり、グッズ購入の目的に加えて、体験として得られる“感情”の部分に魅力を感じているという結果になったという。また、3位は「手頃な価格で手に入るお得感」(26.3%)、4位は「買うこと自体が遊びになっている」(26.0%)と、消費によって実現できる気軽に楽しめるコンテンツとして親しまれているということも読みとれる。

例えば、全国のコンビニエンスストアや書店、ホビーショップなどで展開されている“ハズレなし”のキャラクターくじ「一番くじ」は、ランダム型商品市場の拡大を象徴する存在の一つである。2023年度の国内売上は724億円を記録し、2003年から2023年3月までの約20年間におけるくじ券の総発行枚数は約7億5000万枚に達した。さらに、取扱店舗数は全国約6万6000店舗にのぼり、ランダム型商品が一部のコアファン向け市場に留まらず、日常的に接触される身近なエンターテインメントとして定着していることがうかがえる。

また、一般社団法人日本カプセルトイ協会が公表した「令和7年度(2025年)カプセルトイ市場動向調査」によれば、2025年の国内カプセルトイ市場規模は約1960億円に達した。これは2024年度の約1410億円から39.0%増となり、過去最高を更新したという。

市場拡大の背景には、近年の“ガチャブーム”に加え、コロナ禍による商業環境の変化も影響している。コロナ禍では、小売店の撤退などによって商業施設内に空きテナントが増加したが、その活用策として、人手をほとんど必要としないカプセルトイ販売機の設置が全国で進んだ。特に近年は、数百台規模のカプセルトイ販売機を並べた専門店も各地で登場している。同協会の2026年度調査によれば、カプセルトイ専門店は全国で900店舗以上にのぼり、カプセルトイが子ども向け玩具の枠を超えて、幅広い世代が日常的に楽しむエンターテインメントへと拡大していることが分かる。

ランダム商品とご褒美消費

筆者自身は、こうしたランダム商法の背景には、単なるコレクション欲求や射幸性だけでは説明できない、「体験消費」としての側面が存在していると考えている。ランダムグッズやカプセルトイの魅力は、生活圏のなかで気軽に参加できる“軽度のギャンブル性”にある。何が出るかわからない高揚感や、欲しいものを引き当てた瞬間の達成感はもちろんだが、それ以上に重要なのは、「必ずしも必要ではないモノに、あえてお金を使った」という事実そのものが、ある種の心の余白や解放感を生み出している点である。そこには、浪費や無駄遣いにも近い感覚を含みながらも、「自分のためだけに消費した」という小さな肯定感が伴っている。

この構造は、近年広がる「ご褒美消費」とも重なる。ご褒美消費とは、困難やストレスによって生じた身体的・精神的な“負の状態”を和らげ、自分自身のバランスを取り戻すための「報酬」として機能する消費行動である。つまり、単なる物品購入ではなく、「頑張った自分を労わる」「気持ちを立て直す」といった精神的充足を目的とした、“今の自分”を満たすための消費だといえる。

特に、将来への見通しを持ちづらく、不安やストレスを抱えやすい現代社会では、消費者の価値観は長期的な蓄積や将来設計よりも、「現在をどう快適に過ごすか」という“現在志向”へ傾きやすくなっている。そのなかでランダムグッズは、高額な贅沢ではない比較的手の届く価格帯で、一時的な高揚感や気分転換を提供する装置として機能している。