半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス株が大きく崩れても、一部のアナリストは依然強気だ。株式需給の悪化が収まれば、中長期的な業績期待を背景に再び上昇基調に戻るとみており、目標株価の平均は足元の株価水準に対し2倍以上開いている。

直近1カ月のAI・半導体関連株は世界的に調整局面を迎え、キオクシアHD株は6月22日の上場来高値(10万8700円、終値ベース)から半値以下となり、17日は5万2110円で取引を終えた。AI投資の持続性や競合他社の増産による半導体メモリー市況の悪化が懸念され始め、韓国の個別株レバレッジ型上場投資信託(ETF)や米国のメモリーETF下落を受けた売りの波及効果、米スペースX上場に伴う需給悪化も重しになっている。

キオクシアHD株のアナリストによる目標株価の平均12万1959円と実勢値の乖離(かいり)は134%。東証株価指数(TOPIX)を構成する時価総額上位100銘柄の中で最も大きく、2位のフジクラ(63%)を大きく引き離している。

野村証券は16日、キオクシアHDの目標株価を11万5000円から12万6000円に引き上げた。アナリストの王バージニア氏はリポートで、供給不足によるNAND型フラッシュメモリー価格は引き続き上振れ傾向だとの見方を示した。20日にはチャイナ・ルネサンス・リサーチも目標株価を10万円以上に引き上げた。

目標株価を13万2000円とする岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは「強いAI需要による好業績と成長シナリオのファンダメンタルズは全く変わっていない」と指摘。直近1週間の下げを踏まえると、売りの最終局面を指す「セリングクライマックスに近づいているのではないか」とみる。需給面の重しが一巡すれば、好決算などを材料に株価は切り返していくとも予想した。

フィリップ証券の和泉美治シニアアナリストも「海外のETFや国内の個人による信用取引などの需給要因が大きい」と言い、14万3000円とする目標株価への見方は変えていない。

もっとも、投資家からは慎重な声も聞かれ始めている。アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「これまでの荒い値動きや韓国ETFなどの外部要因を踏まえると、再び上昇基調に戻るまでには少なくとも8月いっぱいはかかる」との認識だ。あえてキオクシア株に再度集中するよりも、他の割安な銘柄などに分散したいと考える投資家が多いとも話した。

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.