資源と移民が支えた経済成長

オーストラリアは、世界でも稀に見る経済の安定性を誇ってきました。

パンデミック期を除けば、1990年代初頭から不況を回避し続けてきたのです。

この「奇跡」を支えてきた主な要因は、大きく分けて二つあります。
第一に、その豊富な天然資源です。

オーストラリアは、鉱業ブームの恩恵を立て続けに受けてきました。

オーストラリアは世界第2位の石炭輸出国であり、鉄鉱石、天然ガス、金の主要生産国でもあります。

天然資源が国の輸出全体のほぼ60%を占めるほどで、2023年6月から2024年6月までの1年間で、鉱業だけで2800億ドル(約40兆円)もの輸出収入がありました。

これは、ニュージーランドやギリシャのGDP全体を上回る規模です。

第二に、活発な国際的な移民の受け入れです。

オーストラリアは長年にわたり、国際的な移住に大きく依存してきました。

過去20年間で、オーストラリアの移住による人口増加率は35%に達し、これは他のどの先進国よりもはるかに速いペースです。

この力強い人口増加が、経済成長を下支えする大きな原動力となってきました。

実際、オーストラリア経済は過去30年間、パンデミック期を除けば毎年、成長を続け、金融危機の最中でさえも成長を維持しました。

これは、同時期に不況に陥った米国、カナダ、英国といった他の主要国とは対照的な状況です。